札幌市の就労継続支援B型における交通費助成制度とは?

就労継続支援B型事業所への通所を検討する際、日々の通所にかかる交通費の負担に悩む障がいのある方やそのご家族は少なくありません。「毎日通いたいけれど、交通費が高くなってしまうのではないか」という不安は、社会参加への一歩をためらう原因にもなり得ます。こうした負担を軽減し、障害福祉サービス等の利用を通じた社会参加を促進するため、札幌市では独自の助成制度を設けています。

本記事では、札幌市で就労継続支援B型に通う際の交通費助成制度について、対象となる条件や助成内容、具体的な申請手続きまでを分かりやすく解説します。

就労継続支援B型の交通費と札幌市の助成制度

就労継続支援B型事業所へ通所する際に、移動にかかる交通費は基本的に利用者の自己負担となる場合が多いのが実態です。事業所によっては独自に交通費を支給したり送迎サービスを行ったりしているところもありますが、すべての事業所で全額がカバーされるわけではありません。そのため、自己負担額の増加によって通所をあきらめてしまうケースも少なくなく、こうした事態を防ぐ目的で、札幌市では独自の支援策である「札幌市障がい者等通所交通費助成」という制度を設け、利用者の経済的負担の軽減を図っています。

札幌市障がい者等通所交通費助成とは

この制度は、就労継続支援B型をはじめとする障害福祉サービス等を利用するために福祉施設へ通所する方を対象に、公共交通機関などの交通費の一部を助成するもので、社会参加や社会復帰の促進を主な目的としています。定期的に事業所へ通うことで身体機能や生活能力の維持・向上を目指す利用者の皆さんが、経済的な理由で通所を断念することなく、安心して活動を続けられるようサポートしています。

札幌市の交通費助成の対象条件

札幌市の交通費助成制度を利用するためには、障がいの種類や手帳の等級、通所する施設の種類、自宅からの距離など、一定の条件を満たす必要があります。すべての利用者が一律に対象となるわけではないため、ご自身やご家族が対象に含まれるかを、あらかじめ確認しておくことが大切です。

対象となる障がいの等級や施設

助成の対象となるのは、札幌市内に居住し、就労継続支援B型などの対象施設に通所している方です。具体的には、身体障がい者手帳(3級〜6級)、療育手帳(B・B-)、精神障がい者保健福祉手帳(3級)の所持者、自立支援医療(精神通院医療)を受けている方、知的又は精神障がいにより対象施設のいずれかに通所している方、あるいは難病患者等で一定の要件を満たす方が対象となります。

助成対象とならないケース

一方で、原則として助成の対象外となるケースもあります。具体的には、身体障がい1・2級、知的障がいA(重度判定)、精神障がい1・2級の方は、原則助成の対象となりません。ただし、JR鉄道を利用する場合は、JR鉄道の利用分についてのみ、助成対象となることがあります。また、障がい者等交通費助成制度において福祉乗車証の交付を受けている方については、市外施設に通所している場合も助成対象となることがあります。

さらに、生活保護法による保護又は中国残留邦人等の円滑な帰国の促進並びに永住帰国した中国残留邦人等及び特定配偶者の自立の支援に関する法律による支援を受けている方は原則助成対象となりません。こうした例外規定や個別の適用可否については状況により異なる場合があるため、事前に公式情報や担当窓口へご確認ください。

助成内容と具体的な計算例

助成される金額は、利用する交通機関に障がい者割引が適用されるかどうかによって助成率が変わる仕組みになっています。一律の金額が支給されるわけではないため、その仕組みを正しく理解しておきましょう。

交通機関の割引適用による助成率の違い

利用するすべての交通機関で運賃割引が適用される場合、基本的な助成率は25%です。ただし、1ヶ月の通所日数が20日を超えた場合、その超えた日数分の通所にかかった交通費については、助成率が50%に引き上げられます。一方、利用する交通機関の中に運賃割引が適用されないものが含まれている場合は、通所日数にかかわらず一律で50%の助成率が適用される仕組みとなっています。

具体的な助成額の計算シミュレーション

文章だけではイメージしづらいため、具体的なケースを想定した計算例をご紹介します。※以下の内容はあくまでシミュレーションであり、実際の支給額を保証するものではありません。

  • 例1:精神障がい3級の方(割引が適用されない交通機関を利用する場合・助成率50%)
    1ヶ月の通所にかかった実際の交通費が10,000円だった場合、割引の適用されない交通機関(JR鉄道など)が含まれていることで助成率50%が適用され、5,000円が助成額として支給されるケースがあります。
  • 例2:療育手帳B-の方(割引が適用される交通機関のみを利用する場合・月22日通所)
    この場合は通所日数がポイントになります。20日目までの通所にかかった交通費には25%の助成率が適用され、21日目と22日目の2日間(20日を超えた分)にかかった交通費には、50%に引き上げられた助成率が適用されます。

助成を受けるための申請手続き

交通費助成を受けるための手続きは、基本的に1ヶ月単位で行われます。利用者本人が毎月直接市役所へ申請に行く必要はなく、通所している就労継続支援B型事業所を通じて、以下のような流れで手続きを行います。

  1. 書類の提出(利用者から事業所へ委任)
    助成を希望する利用者が、事業所の施設長等へ必要な提出書類(「通所(変更)届兼委任状」など)を提出し、手続きを委任します。
  2. 札幌市への申請(事業所から市へ)
    施設長等が利用者の通所実績や各種申請書類を取りまとめ、原則として翌月の15日までに札幌市(保健福祉局障がい保健福祉部障がい福祉課)へ申請を行います。
  3. 書類の審査と指定口座への入金(市から事業所へ)
    札幌市にて書類の審査が行われた後、翌々月の月末までに、代理申請を行った事業所(施設)側の指定口座へまとめて助成金が入金されます。
  4. 助成金の受け取り(事業所から利用者へ支払い)
    入金確認後、施設長等を通じて速やかに利用者本人へ助成金の支払い(手渡しや口座振込など)が行われます。その際、利用者は請求内訳書の写しに受領月日を記入して受領印を押し、施設長等はそれを受け取って5年間保管します。

このように、基本的には通所している事業所が窓口となって手続きを進めてくれます。具体的な提出スケジュールや用意する書類については、通所を開始する際に事業所のスタッフへ確認しておくとスムーズでしょう。

まとめ:制度を活用してB型事業所へ通所しよう

札幌市の「障がい者等通所交通費助成」は、割引適用の有無や通所日数によって計算方法が変わるため、一見すると複雑な制度に思えるかもしれません。しかし、就労継続支援B型事業所へ通い、継続的な就労や社会参加を目指す方にとっては、金銭的な負担を減らしてくれる心強い制度です。交通費の負担がネックになって通所を迷っている方は、このような公的助成制度を有効に活用し、前向きに通所を検討してみてはいかがでしょうか。なお、条件の該当有無や実際の助成額は個人ごとに異なるため、公式情報を確認するか、通所を予定している事業所や各区の保健福祉課へ事前に相談することをおすすめします。


参照元:札幌市/障がい者等通所交通費助成(https://www.city.sapporo.jp/shogaifukushi/tsusho/index.html

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